体験者はHMDで目隠しをされた状態で部屋のセットに入室します。そこで「鍵探しゲーム」をします。鍵は部屋をくまなく探さないと出てこないので、体験者は鍵を手に入れるころには概ね部屋の構造を把握できます。
体験者はゲームが終わったのでHMDを脱いで帰ろうとします。この時初めて部屋の中身を見ますが、現実の部屋の方がVRの部屋より狭いので、自分の体が大きくなったように感じます。
従来のVR作品はHMD装着時におもしろさのピークがありますが、本作品はHMDを脱ぐ瞬間にピークが来ます。また、単なる現実の模倣ではなくHMDやVRならではの現象をテーマとしています。
羊羹の予感
体験者は羊羹に囲まれています。しかし体験者の視野角に入ると羊羹は隠れてしまいます。
体験者ははっきり見えない羊羹に囲まれて、羊羹の予感のみを感じます。
人間は両目で見られる範囲のものしかはっきり見えません。それ以外の場所のものは全く見えないかぼんやりとしか見ることができません。
体験者の帽子に付いた傾きセンサーとUnity製のシュミレーターを使って、体験者に見られている羊羹をモーターでリアルタイムにひっくり返します。
羊羹はイミテーションです。アクリル絵の具で塗装してリアルなつやを出しました。紙製。
距離 ~魚からすれば人間とカンガルーは同じ
F100号キャンバス 油彩
この絵のもともとのタイトルは単に「距離」でしたがわかりやすくするためにサブタイトルをつけました。
この絵と(物理的な距離だけでなく心理的なものや時間的なものなどさまざまな)距離が遠ければ遠いほどは左右の人物画が 同じ に見え、近ければ近いほど 違って 見えます。
左右の絵は下書きの段階から同時に描かれています。全く同じにしようと思っても少しずついろいろな場所がずれていきます。
絵の具の特性を活かした描き方なのでよく見ると左右は全く違います。この絵との距離が縮まっていくほど違って見えていく左右の人物や、左右の人物を違って見せたり同じに見せたりしているさまざまな「距離」という概念を感じてほしい作品です。
サブタイトル、魚と人間とカンガルーでは魚だけ分類階級が違います。このサブタイトルを考えたのは哺乳類ですね。
マウスパッド君
準備中